池田市北部のトンボ

池田市北部で見られたトンボは54種です。

 東山町、伏尾町には猪名川の支流の余野川を初めとして、山の中腹にも多くのため池があり、また、近くにはトンボの生育に必要な雑木林も存在し、そのため、狭い地域ではあるが多くのトンボを観察することができます。そこで、これらポイントを中心として、午前中もしくは夕方にトンボの観察を行っています。主なポイントを図に示します。また、これまでに得られた月別の観察記録を表にしました。

[トンボのリスト]

<イトトンボ科>
1. ホソミイトトンボ
 この地域ではB、C、Fで広く見られている。
2. クロイトトンボ (10.V.1997 1♂2♀♀)
 A,B,Fなどにいて、この地域ではもっとも数が多い。
3. アジアイトトンボ (12.IV.1997 1♀, 10.V.1997 1♀)
 A,Fで見られるが、それほど多くはない。
4. アオモンイトトンボ (7.VI.1997 1♀, 22.VI.1997 1♂, 12.IX.1998 1♂1♀)
 A,B,Fで見られる。数は多くない。
5. キイトトンボ (17.V.1998 1♂)
 Fで非常に多くの数を見ることができた。

<モノサシトンボ科>
1. モノサシトンボ
 A,B,C,E,Fなど見られ、数も多い。

<アオイトトンボ科>
1. オオアオイトトンボ
 B,G、Fなど見られている。数は少なくない。
2. アオイトトンボ (5.X.1997 1♀, 30.IX.1999 1♂)
 BとCで見られているが数は少ない。
3. ホソミオツネントンボ
 Bで見られるが数は多くない。

<サナエトンボ科>
1. オグマサナエ (10.V.1997 2♂♂, 17.V.1997 1♂,  18.V.1997 1♀)
 B,C,Fでかなりの数が見られる。4月後半には羽化直後の個体が続々と飛んでいく姿が見られた。
2. フタスジサナエ (17.V.1997 1♂, 14.VI.1997 1♂, 29.IV.1998 1♀, 4.V.1998 1♂)
 B,C,Fでかなりの数が見られる。
3. ダビドサナエ
 A,Bで見られているが、1997年,1998年ともに1頭ずつ見られただけである。
4. オジロサナエ (16.VIII.1997 1♀)
 Bで1頭だけ得られている。
5. ヤマサナエ (10.V.1997 1♂, 9.V.1998 1♂)
 Aで見られているが、数はそれほど多くはない。
6. アオサナエ (9.V.1998 1♂)
 Aで川の中の石に止まっているのを採集したのが唯一の記録である。
7. コオニヤンマ (19.VI.1997 1♂, 5.VII.1997 1♀)
 Aで川の中の石に止まっているところがたびたび目撃されている。
8. キイロサナエ(12.VI.1999 1♂)
 Fの大きなため池の脇で採集されたのが唯一の記録である。
9. タベサナエ(1.V.1999 1♂1♀)
 B、F、Gなどでみられる。
10. メガネサナエ(30.VII.2000 1♂)
 マンションの壁にとまっていたもの。

<カワトンボ科>
1. オオカワトンボ (10.V.1997 1♂)
 Aの余野川の河原で毎年見られているが、数は少ない。
2. ニシカワトンボ (10.V.1997 1♀)
 5 月頃、山沿いの薄暗い道にかなりの数を見る。
3. ミヤマカワトンボ (10.V.1997 1♂)
 以前は見られなかったが、最近はAで見られている。
4. ハグロトンボ (5.VII.1997 1♀)
 Aで毎年多く見られている。

<エゾトンボ科>
1. コヤマトンボ (18.V.1997 1♂)
 山沿いの道で旋回しているのをときどき見かける。
2. タカネトンボ(30.IX.1999 1♂)
 山沿いの道Dで旋回している姿やCの池近傍でときどき見かける。
3. トラフトンボ (4.V.1998 1♂, 9.V.1998 1♂)
 春にC,E,Fの池で巡回している姿が見られる。
4. オオヤマトンボ(2001)
 今城氏によりヤゴが採集された。

<ヤンマ科>
1. クロスジギンヤンマ (10.V.1997 1♂)
 A,B,C,E,Fなどの水たまりや池でしばしば見ることができた。
2. ギンヤンマ (3.VIII.1997 1♂)
 クロスジギンヤンマと同様に池に多いが水を張った田圃でも多く見られた。
3. コシボソヤンマ (10.IX.1997 1♂)
 吉田橋のバス停で瀕死の状態を拾ったのが唯一の観察例である。
4. ミルンヤンマ (12.X.1997 1♀)
 秋も深まった頃、山道を飛び回っているのを何度か目撃した。
5. マルタンヤンマ
 8 月の夕方遅く、Fのため池で産卵する♀の姿を二、三度見かけたが、採集するところまではいかなかった。
6. オオルリボシヤンマ (11.IX.1996 1♂)
 伏尾台のマンションの壁に止まっているところを採集することができた。野外では観察していない。
7. カトリヤンマ(12.IX.1998 1♂)
 山道沿いでときどき見かけるが数は少ない。
8. ヤブヤンマ(17.VII.1999 1♀, 2.VII.2000 1♀)
 Dで採集されたものだが、夕方結構見かけているのではないかと思う。マンションの壁に止まっている姿も見られた。
9. サラサヤンマ(2.VI.2001 1♂, 9.VI.2001 1♂)
 山道の脇の草むらの上1mほどを旋回していた。

<オニヤンマ科>
1. オニヤンマ
 山道を巡回する姿は夏の風物詩である。

<トンボ科>
1. シオヤトンボ (10.V.1997 1♀, 18.V.1997 1♀)
 早春の山道D〜Gではかなりの数をみることができる。
2. ショウジョウトンボ (10.V.1997 1♀, 9.V.1998 1♀, 18.V.1998 1♂)
 AやFでかなりの数を見ることができる。♀は田圃でもよく見かけた。
3. ヨツボシトンボ (10.V.1997 2♂♂, 9.V.1998 1♂)
 Fの池で多産している。
4. シオカラトンボ
 池や田圃の岸辺で見られる普通のトンボである。
5. オオシオカラトンボ (4.VI.1997 1♂)
 シオカラトンボとほぼ同様な所で見られ、やはり数は多い。
6. ハラビロトンボ (7.VI.1997 1♂)
 Aで数は少ないが見ることができる。
7. コシアキトンボ (4.VI.1997 1♂)
 山道および池で非常に多いトンボである。
8. チョウトンボ (5.VII.1997 1♂)
 B,C,E,Fの池及びその上空を舞う姿は本当に優雅である。数はかなり多い。
9. ウスバキトンボ (5.VII.1997 1♂)
 夏前の田圃に水が張られると待ってましたとばかり、田圃の上をものすごい数の個体が飛び回っている。
10. アキアカネ
 次のナツアカネ、マユタテアカネと共にこの地域のアカトンボの中枢を形成する。
11. ナツアカネ (3.VIII.1997 1♀)
 アキアカネと共に数は多い。
12. マユタテアカネ
 夏のさなかにも林の脇に夏を越す個体を結構見る。秋には非常に数が増える。
13. リスアカネ (19.VII.1997 1♂, 20.VI.1998 1♀)
 マユタテアカネとともに林の脇で夏を越している。夏は個体数がかなり多く感じられるが、秋にはナツアカネやアキアカネなどに押されて目立たない。
14. ノシメトンボ
 秋になると山道沿いに多くの個体を見ることができる。しかし、この1998年から2年間まったく姿をみていない。
15. コノシメトンボ (12.X.1997 1♀)
 この地域ではこれまで 1 頭だけ見られている。
16. マイコアカネ (30.IX.1995 1♂)
 アカトンボ類に混じってこれまで 2,3 頭見かけられた。数は多くないと思われる。
17. ネキトンボ(30.IX.1999 2♂♂)
 ことしCの池で多産しているのがはじめて見受けられた。
18. ヒメアカネ(23.XI.1998 1♂)
 これまで1頭だけ見かけただけである。

注:日付のないものは目撃または採集後放したもの。

inserted by FC2 system