反射スペクトルの測定

 モルフォチョウの翅は見る方向によって色が変化するので、どの方向から光を当て、どの方向から見るのかということをはっきりと指定しないといけません。どの色が反射されやすいかということを示したものを反射スペクトルといいます。ここでは、3種類の方向で反射スペクトルを測定しました。

 初めは翅にほぼ垂直に光を入射して、検出器の位置を少しずつ変化させながらスペクトルを測定する方法で、この図では検出器回転測定と書いてあります。次に、入射光と検出器はほぼ同じ場所において、翅を少しずつ回転させながら翅から反射されて戻ってくる光のスペクトルを測定したものです。サンプル回転測定と書いてあります。最後に、翅に対して、入射光と反射光が常に対称になるようにして、翅と検出器の両方を回転させて測定する方法で、ここでは、θ-2θ測定と書いてあります。最後の方法は翅に対して常に正反射になるように測定したものです。

 結果を図で表します。横軸は光の波長、縦軸は検出器の置いた場所を翅に垂直方向から測った角度です。上と下は入射光の偏光方向の違いです。図をみると、同じような測定なのにパターンがずいぶん違うことに気が付きます。サンプル回転では明確な2つの明るい点が見えますが、θ-2θ測定では1つだけです。こんな違いはどうして生まれてきたのでしょう。
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